2010年07月20日

ペピン結構設計『マルチメディア』


こんにちは。
Open Reel Ensembleのライヴも無事終わりまして、
ピアノ科の試験も出来れば無事に終わってほしくて、
さあその後は一気に役者・吉田能の夏がやって参ります。

お盆にPLAT-formanceのコント公演をやる事は以前ブログで書きましたが、
実は同じ8月中にもう一本、舞台に立ちます。ひええ。
こっちはちゃんとした演劇です(笑)。「ペピン結構設計」という団体です。
かれこれ6年くらい出させてもらってますが(ていうかメンバーでした)、
とても素敵な作品を生み出す団体です。
どうしようもない現実を、それでもどうにかしたくて、
お祭りの様にわき上がってくる物語。とても身近なファンタジーです。
ぜひ観に来てねー!

☆--★--☆--★--☆--★--☆--★--☆--★--☆--★--☆--★

「バイバイ、素敵なサムシング」

水たまりに浮かんだガソリン。大事に抽斗にしまったままだったオーロラ折り紙。
生まれて初めて見たレーザーディスクの裏側。

あの日はまだ、「コンピューター」とか「マルチメディア」って、
"なんでもできる"って意味だと思っていた。コンピューターおばあちゃんみたいに、
完全無敵な何か。「確かめよう、みつけよう」と言われても、具体的に何がどのくらい
できるようになるのか、よく分からなかった。虹に何色入ってるのかは数えられないけど、
ぜんぶ束ねたら透明な光になる。マルチメディアも、そんな素敵なサムシングだった。

そんな素敵なサムシングがいつか私たちの世界に来るらしい、という、それは噂だった。
「マックのハンバーガーにはミミズ肉が入ってる」とか「人面犬を見た」とかと同じ、
楽しくて無邪気な噂。オーバー・ザ・レインボー。

1989年のあの日、「平成はすぐ終わる、天皇が年取ってるからな」と父は言った。
昭和が63年くらい続いたから、父の感覚では30年くらいまでは「すぐ」の範囲だった
のかもしれない。子どもだった私は、平成は10年以内に終わるんだと思った。
「平成」って響きは、縁日で売っているヒヨコを思い出させた。
弱そうだし、なんか全然好きじゃない、と思った。すぐに死んじゃうものを、
好きになっちゃいけないのだ。

いま、昭和のケツに生まれた子どもたちは21世紀最初の大人になった。
気づいたら「平成」は私が思っていたよりずっと長く続いていて、「マルチメディア」は
5コとか100コとか、数えられる何かになっていた。その数がこれから1000コとか一万とか、
どんなに増えていったとしても、なんでもできる素敵なサムシングはもう来ないだろう。
ヒヨコが大きくなったらただのニワトリだ。
コンピューターおばあちゃんにだって寿命はある。それは分かってる。

それは分かっているけど、誰かあの噂にオチをつけてくれ、と思うのだ。
できたら、ヒヨコが死ぬ前に。あの人が死ぬ前に。
虹の向こうに立ち消えたサムシングを、もう一度見たいのだ。



ペピン結構設計
アゴラ夏のサミット2010参加公演
『マルチメディア』


■日程:8月28日(土)- 31日(火)

    28(土)15:00-/19:30-
    29(日)15:00-/19:30-★
    30(月)19:30-
    31(火)18:00-

 ※受付開始は開演45分前、開場は30分前。
 ★…アフタートークあり

■会場:こまばアゴラ劇場(京王井の頭線「駒場東大前」駅から徒歩3分)

■料金(当日受付にて清算)
前売:2500円
当日:2800円
学生:2000円

■ご予約はこちらより!
 
 
皆様のご来場をお待ちしております!
 
 
posted by 吉田能 at 13:53| Comment(0) | 活動予報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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